フィルムカメラはレンズを通して入ってきた光がフィルムに当たり、
フィルムに化学変化を起こさせることで画像が作られます。
フィルムとは、カメラを通した光の情報を記録する
感光材料(光を感じて記録できる材料)です。
露光(撮像素子やフィルムに光を当てること)されることで
表面に塗られた感光体である乳剤が反応し、
現像処理を行うことでその画像情報が定着されて記録媒体となります。
つまり、フィルムを光に当てると、その分だけ画像が現れるということです。
光を当てすぎると、画像が真っ白に飛んでしまい、当てないと真黒なまま。
それを調整してくれるのがカメラ、という訳なのです。
フィルムカメラは撮影枚数が増える程、フィルム・現像代のコストがかかりますが、
記録として残せる点や、現像するまで結果が分からないワクワク感や、自分好みの写真にプリント出来る楽しみがあります。
小さな穴を通った光が壁などに外の景色を映すことの出来る、
"ピンホール(針穴)カメラ"がカメラの原点でした。
カメラといっても撮影機能はなく、針穴の反対側にあるすりガラスのスクリーンに、
景色などを映すだけの装置でした。16世紀頃、ピンホールの代わりに、
凸レンズを使用したものが登場。映った景色などをなぞって
正確な写生をするためのもので、フィルムなど感光材料の代わりに
人間が手描きで"撮影"していました。
19世紀に入り、感光材料による撮影が実現。フランスのニエプス兄弟がカメラ・オブスキュラを改良して、
アスファルトを感光材料にし、8時間かけて1枚の写真を撮影しました。
そして、1888年にアメリカのイーストマン・コダック社からフィルムが発売され、
その後、カラーフィルムやインスタント・フィルムが登場し、写真技術の発達はさらに加速していきました。
デジタルとフィルムの違いはレンズを通して入ってきた光が画像に変わるまでの過程です。
デジタルカメラはフィルムの変わりにメモリーカード等に画像を保存しますが、
間に撮像素子とデジタル信号回路が有り、入ってきた光をデジタル信号に変換して保存されます。
撮影素子とは一般的にはCCD(CMOS)と呼ばれており、このCCDのサイズによって画質が大きく左右され、
コンパクトデジカメと比べてデジタル一眼レフはCCDのサイズが大きくなる傾向が有り、画素数と画質も向上します。
撮影した写真をその場で確認し、失敗した不要なデータを削除出来る反面、
デジタル機器の為、取り扱いが非常にデリートになり、デジタル一眼レフの場合は撮像素子のメンテナンスが必要になります。
デジタルカメラは、フィルムカメラとは全く違った方式で画像を得ています。
レンズで光を集めて像をつくるしくみは同じですが、デジタルカメラではフィルムに相当する部分に
「光を感じて電気信号に変える電子部品」、つまりCCDセンサやCMOSモジュールなどが用いられています。
画面を数百万~約2千万もの点に分解し、それぞれの点の明るさや色の
情報をデジタル技術に基づいた信号処理によって画像にします。
モニタがあれば、すぐに撮影結果を見ることができますし、色や画像の調整も簡単にできるうえ、
撮影するだけならほとんどコストがかからないなど、銀塩写真より便利な点も多くあります。